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SAP MMにおける供給元一覧の概要と設定方法

SAPノウハウ

SAPのMM(Materials Management:資材管理)モジュールは、企業の購買や在庫管理を効率化するための重要な機能を提供しています。その中でも、「供給元一覧(Source List)」は、資材調達においてどの供給元(ベンダー)から特定の材料を購入するかを管理するための重要なツールです。この記事では、初心者にもわかりやすく、供給元一覧の概要設定方法について解説します。


1. 供給元一覧(Source List)とは?

供給元一覧は、特定の材料に対して、どの供給元(ベンダー)からその材料を調達するかを管理するリストです。このリストは、SAPの調達プロセスにおいて重要な役割を果たし、材料を購入する際の意思決定をサポートします。

供給元一覧を使用することで、以下のような調達プロセスを効率化することが可能です。

供給元一覧の主な機能:

  • 調達先の自動選択: 購買依頼(PR)や発注(PO)を作成する際に、どのベンダーから材料を調達するかを自動的に選択できます。
  • 購買契約の管理: 供給元として登録されているベンダーは、あらかじめ契約やスケジュール契約に基づいた取引が行われます。
  • 調達プロセスの標準化: 供給元一覧を設定することで、特定の材料の調達先を統一し、購買プロセスを標準化できます。

2. 供給元一覧を使用するメリット

供給元一覧を活用することで、企業の購買プロセスは以下のように改善されます。

2.1. 調達先の効率化

供給元一覧を設定することで、特定の材料に対する調達先が自動的に選定されるため、購買担当者が毎回調達先を手動で選択する必要がなくなります。これにより、調達プロセスが迅速かつ効率的に進行します。

2.2. 契約管理の自動化

ベンダーとの契約やスケジュール契約に基づいて、購買依頼を作成する際に自動的に適切なベンダーが選ばれます。これにより、契約条件を確実に遵守しながら調達を進めることができます。

2.3. コンプライアンスの確保

供給元一覧に基づいた調達プロセスは、内部コンプライアンスの確保に役立ちます。指定されたベンダーからのみ調達することで、取引の透明性を維持し、企業のポリシーに従った購買が行えます。


3. 供給元一覧の設定方法

供給元一覧を設定することで、調達プロセスが効率的に行えるようになります。ここでは、SAPで供給元一覧を設定する手順を具体的に説明します。

3.1. 供給元一覧の設定手順

1. トランザクションコード「ME01」を使用
  • SAPメニューからトランザクションコード「ME01」を入力し、供給元一覧の作成画面を開きます。
2. 材料とプラントを選択
  • 供給元一覧を作成するためには、特定の材料とそれを管理する**プラント(工場や倉庫)**を選択します。
  • この供給元一覧は、選択した材料がどのベンダーから調達できるかを定義するものです。
3. 有効期間の設定
  • 供給元一覧には、供給元として設定するベンダーが有効である期間を指定する必要があります。調達可能な期間(有効開始日と終了日)を入力します。
4. ベンダーの指定
  • 次に、その材料の供給元となる**ベンダー(取引先コード)**を指定します。
  • 1つの材料に対して、複数のベンダーを設定することが可能で、調達先を柔軟に選択できるようになります。
5. 購買情報レコード(Optional)
  • もし、そのベンダーとの購買契約や価格情報が既に登録されている場合は、購買情報レコード(Info Record)をリンクさせることもできます。これにより、発注時に契約条件が自動的に適用されます。
6. 設定の保存
  • すべての必要な情報を入力したら、設定を保存します。この時点で、供給元一覧が作成され、システムに登録されます。

4. 供給元一覧の管理

供給元一覧は、単に作成するだけでなく、継続的に管理・更新することが重要です。調達先の変更や新たなベンダーの追加、契約期間の延長など、状況に応じて適切に供給元一覧を見直す必要があります。

4.1. 供給元一覧の更新

特定のベンダーとの契約期間が終了した場合や、新しいベンダーを追加する場合には、供給元一覧を定期的に更新することが求められます。SAPでは、トランザクションコード「ME01」を使用して既存の供給元一覧を簡単に更新できます。

4.2. 複数ベンダーの管理

1つの材料に対して複数のベンダーが供給元として登録されている場合、それぞれのベンダーに対して優先度を設定できます。これにより、特定のベンダーが優先的に選定され、購買依頼や発注が効率的に処理されます。


5. 供給元一覧の使用例

5.1. 自動調達の実現

ある製造業の企業では、SAPの供給元一覧を活用することで、材料ごとに最適な供給元を自動的に選択し、購買依頼を作成しています。これにより、手動で調達先を選定する手間が省け、購買プロセス全体の効率化が実現しました。

5.2. ベンダー契約の遵守

別の企業では、供給元一覧を利用して、特定のベンダーとの契約条件に基づいた調達を自動化しています。供給元一覧に登録されたベンダーからのみ材料を購入することで、コンプライアンスを確保し、契約条件を遵守しています。


まとめ

SAPの供給元一覧は、調達プロセスを自動化し、調達先の選定を効率化するための重要な機能です。供給元一覧を適切に設定・管理することで、調達プロセスの透明性が向上し、ベンダーとの契約条件を確実に守りながら、業務効率を高めることができます。

この記事を参考にして、供給元一覧の設定を進め、SAPシステムを活用した調達の最適化を実現してください。

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