移送作業初心者でも安心!トランスポートリクエストの作成と管理を具体例を交えてわかりやすく解説します。
トランスポートリクエストって何?最初に覚えたい要点!
トランスポートリクエストとは、簡単に言えば「変更内容をまとめて移送するための箱」です。例えば、テーブルを1つ作ったり、設定を少し変更したりする際、それらの変更内容を「箱」に詰めて、他のシステムに届けるイメージです。
SAPプロジェクトでは、この箱を上手く使うことが大事。今回は、このトランスポートリクエスト(以下、TR)の作成と管理方法を具体例を交えて解説します!
トランスポートリクエストを作成する手順
まずは、「TRを作成する流れ」を押さえましょう。設定を例にして解説しますね!
1. 設定を変更する
例えば、「会社コードの設定を追加」したいとします。この変更を保存する際に、SAPは「どのTRに保存しますか?」と聞いてきます。
手順:会社コード設定を変更する
- トランザクションコード
OBY6
を入力し、会社コード一覧を開きます。 - 新しい会社コードを追加します。
- 保存ボタンを押すと、「トランスポートリクエストを選択」画面が表示されます。
2. 新しいトランスポートリクエストを作成する
この画面で、新しいTRを作成します。
手順:新しいTRを作成する
- 「作成」ボタンを押します。
- ポップアップが表示されるので、以下を入力します。
- 短い説明:変更内容を簡単に記載します(例:「新しい会社コードの設定」)。
- 開発クラス:
$TMP
(一時保存用)ではなく、プロジェクト用のクラスを選択します。
- 「保存」を押すと、新しいTRが作成されます。
💡 ポイント:説明は他のメンバーが見てもわかりやすいように書くこと!
作成したトランスポートリクエストを管理する方法
TRを作成したら、それを管理する必要があります。特に、「リリース」という作業が重要です。
1. TRをリリースする理由
リリースとは、TRを「送る準備ができましたよ」とSAPに伝える作業です。リリースしないと、TRは他のシステムに移送できません。
2. TRをリリースする手順
ここでは、実際にTRをリリースする方法を説明します。
手順:TRをリリースする
- トランザクションコード
SE09
を入力します。 - 自分が作成したTRを一覧から選択します。
- リスト上で右クリックし、「リリース」を選択します。
- SAPが「移送前チェック」を実行します。エラーがなければリリース完了です。
3. リリース後の移送先確認
リリース後、TRは次のシステムに移送されます。たとえば、「開発システム」から「品質保証システム」へ移送されます。これはプロジェクトの移送フローに沿って行われます。
【具体例】会社コード設定を移送する場合
- トランザクションコード
OBY6
を使って会社コードを設定。 - 設定内容を新しいTRに保存。
- トランザクションコード
SE09
でTRをリリース。 - 次のシステム(例:品質保証システム)で設定が反映されるか確認。
まとめ
トランスポートリクエスト(TR)の作成と管理は、SAPプロジェクトで頻繁に使う作業です。
この記事で覚えるべきポイント
- TRは「変更内容をまとめる箱」。
- 設定保存時に新しいTRを作成する。
- TRはリリースして初めて移送可能になる。
最初は複雑に感じるかもしれませんが、慣れると簡単です。次回は「移送ログの確認方法とエラー対応」について解説しますので、引き続きお楽しみに!
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