SAPシステムの安定した運用を目指すうえで、SAP NoteとSP(サポートパッケージ)の関係性や適用状況の確認は重要です。
特に、NoteがどのSPに含まれているのかを把握することは、問題解決のスピードアップに直結します。
本記事では、以下の3つのポイントについて解説します:
- SAP NoteとSPの関係性を明確に理解できる。
- SPレベルの確認方法がわかる。
- 実際のSAP GUIを使用した手順を詳しく説明。
これを読むことで、SAPシステムの運用効率が大幅に向上するはずです!
SAP Noteについて理解がまだそんなにできてないよという方はこちらの記事を読んでから戻ってくると理解が深まりやすいと思います。
②SAP Noteとサポートパッケージの関係性
SAP Noteは個別のバグ修正や機能改善に対応するもので、SP(サポートパッケージ)はこれを複数まとめたパッケージです。
SPは、SAP Noteの適用を効率化するための仕組みとして存在します。
具体例で解説
例えば、「FIモジュールで発生する特定のエラー(コード:12345)」に対処するSAP Noteがリリースされたとします。
このNoteは単独で適用可能ですが、後にリリースされるSPに含まれることがあります。
SPに含まれることで、関連する修正が一括適用され、作業効率が向上します。
注意点
- SAP Noteの適用
緊急対応が必要な場合、個別のSAP Noteを適用するのが最適です。 - SPの適用
定期的なシステムメンテナンス時に、SPを適用して複数の修正をまとめて導入します。
③SAP NoteのSPレベルの確認方法
SAP NoteがどのSPに含まれているかを確認する方法を解説します。
この確認は、SAPサポートポータルで行います。
手順:
- SAPサポートポータルへログイン
SAP ONE Support Launchpad(https://launchpad.support.sap.com)にアクセスします。 - Note番号を検索
修正したいNote番号を入力し、検索ボタンをクリックします。 - SP情報を確認
検索結果から、該当Noteを開きます。「サポートパッケージ」の欄に、Noteが含まれるSPの情報が表示されます。
具体例:
例えば、Note番号「123456」を検索した場合、以下のような情報が表示されます:
- SPレベル:SAP_BASIS 750 SP16
- 修正内容:特定のトランザクションコードに関連するエラー修正。
これを確認することで、適用するSPが適切かどうかを判断できます。
④SAP GUI実機のSPレベルの確認方法
実際にSAP GUIを使用してSPレベルを確認する手順を解説します。
手順:
- トランザクションコード「SPAM」を実行
SAP GUIでSPAM(Support Package Manager)を起動します。 - SP情報を表示
「Display/Import Queue」メニューを選択します。
現在適用されているSPの一覧が表示されます。 - SPレベルを確認
各モジュール(例:SAP_BASIS、SAP_ABAPなど)のSPレベルが明示されています。
具体例:
例えば、FIモジュールのSPレベルが「SAP_APPL 618 SP09」である場合、これがシステムで適用されている最新のSPレベルです。
この情報を元に、適用可能な最新のSAP Noteを確認することができます。
注意点:
- SPAMの使用権限が必要です(通常はBasisチームが操作します)。
- SP適用前には必ずバックアップを取得しましょう。
⑤まとめ
本記事では、SAP NoteとSPの関係性からSPレベルの確認方法までを解説しました。
この記事で学んだこと:
- SAP Noteは個別の問題解決、SPはその集約版として機能。
- SAPサポートポータルを活用して、NoteのSP含有状況を確認可能。
- SAP GUIでは、SPAMを使い現在のSPレベルを確認できる。
SAP NoteとSPを効率的に管理することで、システム運用のスピードと安定性を向上させましょう!
運用現場で困った際は、本記事の手順をぜひ参考にしてください。
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