はじめに
SAP導入では、
受注・出荷までの業務は比較的整理されやすい一方で、
輸出業務は後回しにされがちです。
しかし実際には、
- インボイス
- パッキングリスト
- フォワーダーとのやり取り
など、
出荷後にも多くの重要業務が存在します。
本記事では、
SAP導入における輸出業務フロー整理の考え方を解説します。
なぜ輸出業務は整理が難しいのか
SAP標準だけでは完結しない
輸出業務は、
- フォワーダー
- 税関
- 外部書類
との連携が多く、
SAP標準機能だけで完結しないケースが一般的です。
そのため、
- どこまでをSAPで管理するのか
- どこからを業務・外部対応にするのか
を明確にする必要があります。
出荷業務と混同されやすい
輸出業務は、
「出荷が終わった後の話」として軽視されがちですが、
実際には業務責任・管理項目が大きく異なります。
輸出業務で整理すべき主な業務

出荷後に発生する代表的な業務
- インボイス・パッキングリスト作成
- フォワーダーへの出荷情報連携
- 船積・空輸手配
- 着荷確認
これらは、
SAP出荷処理とは別の業務として整理すべきです。
着荷通知・ステータス管理
- 着荷通知を誰が受け取るのか
- どの情報をもって完了とするのか
といった点も、
事前に決めておく必要があります。
SAP導入時に整理すべきポイント
SAPで管理する情報を限定する
輸出業務すべてをSAPに持たせると、
- アドオンが増える
- 運用負荷が高くなる
というリスクがあります。
- 出荷実績
- 書類番号
- ステータス
など、
管理すべき最小限の情報をSAPに持たせる考え方が現実的です。
業務フローとして切り出す
輸出業務は、
- 出荷フローの延長
ではなく、 - 独立した業務フロー
として整理することで、
責任範囲や業務内容が明確になります。
整理不足で起きやすい問題
- フォワーダーとの情報不整合
- 書類不備による通関トラブル
- 出荷は完了しているのに業務が終わらない
これらは、
輸出業務を業務フローとして切り出していないことが原因です。
まとめ
SAP導入における輸出業務は、
- 出荷後に発生する独立した業務
- SAPだけで完結しない業務
として整理する必要があります。
導入初期に、
- 輸出業務の範囲
- SAPで管理する情報
- 業務責任
を明確にすることで、
輸出業務に関するトラブルを大きく減らすことができます。
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