S/4HANAでの品目マスタの桁数拡張について、初心者にもわかりやすく具体例と手順を解説します。
こんにちは!今回は、SAP S/4HANAでの「品目マスタの桁数拡張」についてお話しします。ECCからS/4HANAに移行した場合、品目コード(MATERIAL)が18桁から40桁に拡張されます。この変更について、背景や具体的な手順を初心者でもわかるように解説します。
結論と要点
- ECCでは品目コードが18桁でしたが、S/4HANAでは40桁に拡張されます。
- 自動で拡張される場合と、手動で再設定が必要な場合があります。
- 桁数拡張の正しい理解と手順を学ぶことで、エラーやトラブルを防げます。
①イントロダクション
なぜ桁数が拡張されるのか?
SAP ECCでは品目コード(MATNR/MATERIAL)は18桁に制限されていました。しかし、業界の多様化により、より長いコードが必要になり、S/4HANAでは40桁に拡張されました。
自動拡張と手動修正
- MATNR(品目コード)は基本的に自動で18桁から40桁に拡張されます。
- ただし、ソースコード上で直接「C(18)」で定義されている場合や、別のデータエレメントが使われている場合は、手動で修正が必要です。
- MATERIALに関しては自動拡張されないため、新しく「MATERIAL_LONG」で定義します。
注意点
SAPでは代入する変数の桁数が代入先より大きい場合、エラーにはなりませんが、データ不整合を防ぐため一貫した桁数設定が推奨されます。
②SAPの品目マスタとは
品目マスタとは、SAPシステムで品目(部品や製品など)に関する情報を管理する基盤です。これには、次のような情報が含まれます:
- 品目コード(MATERIAL)
- 説明(DESCRIPTION)
- 品目タイプ(MATERIAL TYPE)
- 評価クラス(VALUATION CLASS)
品目マスタは、調達や生産、販売の全プロセスで使用される重要なデータベースです。
③品目マスタの項目拡張が必要になった背景
- 品目の種類が増加
多様な業界のニーズにより、品目コードが18桁では足りなくなった。 - グローバル展開
グローバルな業務で一意の品目コードが必要になり、40桁のコードが求められるように。 - システムの進化
S/4HANAでは新しいテクノロジーと拡張性が求められ、桁数の増加が対応されました。
④項目拡張の実施手順
手順1: 現在の設定を確認
- T-CODE: SE11で、MATNR(MATERIAL)のデータ型を確認。
- 現在のデータ型が18桁の場合、40桁に変更が必要です。
手順2: ソースコードの確認
- T-CODE: SE80で、カスタムプログラムのソースコードを確認。
C(18)
で定義されている部分を、C(40)
に修正。
手順3: 新しいフィールドの使用
- MATERIAL_LONGを使用して、品目コードを40桁に対応。
- T-CODE: MM02を使用して、実際の品目コードを登録・編集。
手順4: テスト環境で検証
- テスト環境で実際のデータを移行し、影響を確認。
- 必要に応じてエラーを修正します。
手順5: 本番環境で移行
すべての修正が完了したら、本番環境で移行作業を行います。
⑤まとめ
SAP S/4HANAでは、品目マスタの桁数が18桁から40桁に拡張されました。これにより、より多くの品目コードが管理可能となります。ただし、ソースコードや関連設定の修正が必要な場合があります。問題を未然に防ぐために、必ずテスト環境で確認を行いましょう。
推薦図書
以下の資料でさらに深く学べます:
- 「SAP S/4HANAの基本と仕組み」
- 「データマイグレーション実践ガイド」
品目マスタの桁数拡張を正しく理解し、プロジェクトに活用していきましょう!
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