SAP MMにおける関連トランザクションコード一覧:購買管理、在庫・入出庫管理、ロット管理

SAPノウハウ

SAPのMM(Material Management:資材管理)モジュールは、購買、在庫管理、ロット管理といった重要な機能を提供し、企業のサプライチェーンを支える中心的な役割を果たしています。これらのプロセスにおける日常業務を効率的に進めるために、**トランザクションコード(T-code)**の活用が欠かせません。この記事では、購買管理、在庫・入出庫管理、ロット管理に関連するSAP MMの主要なトランザクションコードについて、初心者にもわかりやすく解説します。


1. 購買管理に関するトランザクションコード

購買管理は、SAP MMモジュールにおける重要な機能の一つです。材料やサービスの調達プロセスをスムーズに進めるために、以下のトランザクションコードを使用します。

購買管理に関連する主なトランザクションコード一覧

T-code説明用途
ME51N購買依頼の作成購買担当者が購買依頼(PR)を作成します。
ME52N購買依頼の変更既存の購買依頼を変更する場合に使用。
ME53N購買依頼の参照作成された購買依頼を確認するためのコード。
ME21N発注の作成購買依頼に基づき、発注書(PO)を作成。
ME22N発注の変更既存の発注書を修正します。
ME23N発注の参照作成済みの発注書を確認します。
ME11購買情報レコードの作成購買情報レコード(ベンダーと材料の関連情報)を作成。
ME12購買情報レコードの変更購買情報レコードを変更します。
ME01供給元一覧の作成材料に対する供給元(ベンダー)を指定。

トランザクションコードの活用例

購買担当者は、新しい材料を調達する際に、まずME51Nを使って購買依頼を作成します。その後、購買依頼が承認されると、ME21Nを使って発注書を作成します。もし調達先のベンダー情報を変更する場合には、ME12を使って購買情報レコードを更新することができます。


2. 在庫・入出庫管理に関するトランザクションコード

在庫管理は、資材や部品の在庫量を常に正確に把握するために重要です。SAP MMモジュールでは、入出庫処理や在庫の照会を行うために次のようなトランザクションコードを使用します。

在庫・入出庫管理に関連する主なトランザクションコード一覧

T-code説明用途
MIGO入庫/出庫処理購買発注に基づく入庫処理や、在庫の出庫を実施。
MIRO請求書の登録ベンダーからの請求書を登録します。
MB1B在庫転送プラント間や保管場所間での在庫移動を行います。
MB52在庫状況のリスト現在の在庫状況を一覧表示。
MMBE在庫照会特定の材料の在庫をリアルタイムで確認。
MB01受領品の入庫受領した品物を入庫処理。
MBST入出庫処理の取消入庫または出庫の処理を取り消します。
MSC1N保管場所間転送予約の作成1つの保管場所から別の保管場所への転送を予約。

トランザクションコードの活用例

例えば、購買発注に基づき材料が倉庫に届いたら、MIGOを使って入庫処理を行います。その後、倉庫の在庫状況をMMBEで確認し、必要に応じてMB1Bで他の保管場所に在庫を転送します。また、在庫の状態を確認するためには、MB52を使用して在庫リストを照会します。


3. ロット管理に関するトランザクションコード

ロット管理は、製品や部品をロット単位で追跡・管理するための機能です。特定のロット番号を使って材料の追跡を可能にし、品質管理や製品トレーサビリティに役立ちます。

ロット管理に関連する主なトランザクションコード一覧

T-code説明用途
MSC1Nロットマスタの作成新しいロット番号を作成します。
MSC2Nロットマスタの変更既存のロット情報を変更します。
MSC3Nロットマスタの参照既存のロット情報を確認します。
MB56ロットの追跡ロット番号に基づいて、材料の移動履歴を追跡。
BMBCバッチ情報の一括変更複数のバッチ(ロット)情報をまとめて更新します。
MB1Cロット在庫の初期登録新しいロット在庫をシステムに登録します。

トランザクションコードの活用例

品質管理や製品トレーサビリティが重要な業界では、ロット管理が必須です。新しい材料が入庫された場合には、MSC1Nを使ってロット番号を作成し、MB56を使用してロットの追跡が可能になります。さらに、既存のロットに変更がある場合は、MSC2Nでロット情報を更新できます。


まとめ

SAP MMモジュールにおける購買管理、在庫・入出庫管理、ロット管理は、企業のサプライチェーン管理を最適化するための重要な機能です。これらのトランザクションコードを活用することで、日常業務を効率的に進め、在庫の正確な管理、調達の自動化、品質管理の向上を実現できます。

初めてSAPを使う方でも、この記事で紹介したトランザクションコードを参考にして、購買や在庫管理、ロット管理をスムーズに行えるようになるでしょう。SAPシステムを効果的に活用して、業務プロセスの効率化を図りましょう。

参考資料

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