SAP PPにおける打ち切り品の機能と使用ケース:Follow-up品との切り替え運用

SAPノウハウ

SAP PP(生産計画)では、製品ライフサイクルの終了や代替品の導入に伴い、特定の品目を「打ち切り品」として管理し、新しい品目に切り替える機能があります。本記事では、「打切品」の機能や設定方法、Follow-up品との切り替え運用について初心者にもわかりやすく解説します。



1. 打切品とは?

打切品とは、製品や部品の製造終了に伴い、在庫がなくなったタイミングで代替品(Follow-up品)に切り替える仕組みです。この機能により、部品管理の効率化や生産計画のスムーズな移行が可能になります。


2. 打切品の主な機能

1. 単純打切(打切区分:1)

  • 指定した日付以降で在庫がなくなったタイミングで代替品に切り替わります。
  • シンプルな切り替えが必要な場合に適しています。

2. 従属並列打切(打切区分:3)

  • 指定した日付以降でも複数の部品が並行して使用される場合に適用します。
  • 在庫状況に応じて、複数の部品を柔軟に切り替え可能です。

3. Follow-up品の設定

  • Follow-up品は、切り替え先の品目コードを指定します。
  • MRPを実行した結果として、計画手配や製造指図上で適用されます。

3. Follow-up品との違いと連携

項目打切品Follow-up品
目的廃止予定の品目打切品に代わる新しい品目
切り替えタイミング指定日付以降のMRP実行時指定された打切品の在庫がなくなったタイミング
設定場所品目マスタ(MRP4ビュー)打切品設定時に指定

4. 打切品の設定方法

1. 品目マスタの設定

  1. トランザクションコード: MM02
  2. MRP4ビューを開く。
  3. 以下の項目を設定します:
    • 打切区分: 「1(単純打切)」または「3(従属並列打切)」を選択。
    • 打切日付: 切り替えの基準となる日付を入力。
    • Follow-up品目: 切替先の品目コードを指定。
  4. 保存。

2. BOMの修正

打切品を含むBOMが適切に設定されていないと、計画手配や指図に誤った品目が反映される場合があります。設定後は以下を確認・修正してください:

  1. トランザクションコード: CS02(BOM変更)。
  2. 打切品からFollow-up品に変更。
  3. 保存。

5. 打切品を使用するケースと注意点

使用ケース

  1. 製品ライフサイクルの終了
    • 古い部品や製品の生産終了時に使用。
    • 例: 旧型のタイヤAから新型のタイヤBへの切り替え。
  2. 代替部品の導入
    • 部品の性能向上やコスト削減を目的に、新しい部品を導入する場合。
    • 例: より効率的なエンジン部品への移行。
  3. 在庫管理の効率化
    • 打切品の在庫を計画的に消化し、廃棄ロスを防ぐ。

注意点

  1. MRPでの適用範囲
    • 打切品からFollow-up品への切り替えはMRPを実行した結果としてのみ反映されます。
    • マニュアル登録した計画手配や指図では適用されないため、BOMの修正が必要です。
  2. 正確な在庫管理
    • 打切品の在庫が適切に管理されていないと、計画が乱れる可能性があります。定期的な棚卸を推奨します。
  3. 設定の確認
    • 品目マスタやBOMの設定に不整合がないか確認が必要です。

6. まとめ

SAP PPにおける打切品とFollow-up品の機能は、生産計画の効率化や製品移行をスムーズに行うための重要なツールです。特に、部品のライフサイクル管理や在庫消化に役立ちます。ただし、設定や運用に不備があると、計画手配や指図に誤りが生じる可能性があるため、正確な設定と定期的な確認が必要です。

次回の記事では、打切品とFollow-up品を活用した業界別の事例について詳しく解説します!

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