SAP MM(在庫・購買管理)における購買出力マスタとは何か?本記事では、出力マスタの概要や具体的な設定方法、トランザクションコード(T-CODE)や関連テーブルまで徹底解説します。初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説するので、ぜひ業務の参考にしてください。
1. 購買出力マスタとは?
購買出力マスタは、購買伝票(見積依頼・購買発注・契約伝票など)に対して、
- どのような出力(印刷、メール等)
- どの形式(レイアウト、テンプレート)
- どのタイミング(即時実行、定期ジョブ)
で実行するかを制御するマスタです。
具体的な用途例
- 例1:購買発注書を作成した際、仕入先へメールで送付する。
- 例2:購買契約伝票をFAXで送信する。
2. 出力マスタの設定項目と送信媒体
設定項目 | 内容 |
---|---|
送信媒体 | 印刷、FAX、メール、EDI、ALE など |
実行時期 | 即時実行、定期ジョブ実行、専用トランザクションで実行 |
出力設定項目 | 出力タイトル、出力デバイス(Printer)、スマートフォームなど |
3. トランザクションコード(T-CODE)一覧
T-CODE | 対象伝票 | 内容 |
---|---|---|
MN01 | 見積依頼伝票 | 出力マスタ登録 |
MN04 | 購買発注伝票 | 出力マスタ登録 |
MN07 | 購買契約伝票 | 出力マスタ登録 |
MN24 | 入荷伝票 | 出力マスタ登録 |
MRM1 | 請求書照合 | 出力マスタ登録 |
ME9F | 購買伝票全般 | 出力タイプ(メッセージタイプ)を実行・出力 |
4. 購買発注伝票の出力マスタ登録方法(T-CODE:MN04)
購買発注書を設定する手順を以下に示します。
- T-CODE:MN04 を実行
- 出力タイプ:NEU(購買発注書)を選択
- 条件テーブル(Bテーブル):キー項目(例:仕入先、購買組織)を指定
- 送信媒体:印刷・メール・FAX などを選択
- 有効期間:適用開始日・終了日を入力
- 保存:設定を確認して保存
5. 出力マスタ関連テーブル
テーブルID | 内容 |
---|---|
Bテーブル | Key Combination(キー項目)を格納。条件レコードNo.を確認可能。 |
NACH | 出力マスタの設定値・送信媒体などの情報を格納。 |
NAST | 実際の伝票で登録されたアウトプットレコードを格納。 |
テーブルを確認する方法
- T-CODE:SE16N でテーブルIDを入力し、検索する。
- 例えば、
T681
でBテーブル一覧を確認、NAST
で伝票別の出力情報を照会可能です。
6. ME9Fでの出力実行手順
購買発注伝票を出力する手順は以下の通りです。
- T-CODE:ME9F を実行
- 出力タイプ(例:NEU)を指定
- 伝票番号範囲を入力して対象伝票を検索
- 送信媒体(印刷、メールなど)を選択
- 実行ボタンをクリックし、出力を実行
7. 出力マスタの活用ポイント
- 自動化の実現:伝票ごとの出力を手動で行う必要がなく、効率的な業務フローを実現。
- 柔軟な出力管理:要件に応じて送信媒体やタイミングを柔軟に設定可能。
- 定期ジョブ運用:定期ジョブを活用すれば、出力漏れを防止できます。
8. まとめ
購買出力マスタは、購買伝票の出力を柔軟に管理するための強力な機能です。出力形式や送信媒体を設定し、業務要件に応じた購買業務を実現できます。
- T-CODE:MN04 で購買発注伝票の出力マスタを設定
- T-CODE:ME9F で出力を実行
- 出力マスタのデータは Bテーブル、NACH、NAST で管理
SAP MMを効果的に活用するために、出力マスタを正しく理解し、運用していきましょう!
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