SAP MMにおける購買価格マスタ(条件マスタ)は、購買業務の価格決定プロセスを支える重要な要素です。本記事では、条件テーブルの構造や検索方法について詳しく解説します。初心者の方でも迷わないよう、手順を丁寧に説明します!
1. 購買価格マスタの条件テーブルとは?
条件テーブルは、**価格マスタ(条件マスタ)**を構成する要素の1つです。
SAPでは、購買価格情報や割引などの条件データを条件タイプという単位で管理し、そのデータを格納するテーブルを条件テーブルと呼びます。
条件テーブルの基本構成
- キー項目:検索条件(仕入先、品目コード、購買組織など)
- データ部分:条件レコードに紐づく価格や数量情報
関連する主要テーブル
テーブル名 | 内容 |
---|---|
Aテーブル | Key Combination(検索条件)と条件レコードNo.を格納 |
KONP | 条件レコードの金額や数量情報を格納 |
KONH | 条件レコードのヘッダ情報を格納 |
KONM | 条件レコードの数量スケール情報を格納 |
KONW | 条件レコードの金額スケール情報を格納 |
2. 購買価格マスタの検索方法
購買価格マスタの条件テーブルを検索する主な方法は3つです。
① T-CODE:SPROからカスタマイズ画面で検索
- T-CODE:SPRO を実行
- ダイアログパス
- 在庫/購買管理 → 購買管理 → 条件 → 定義:価格決定プロセス
- 条件タイプを確認
- 対象の条件タイプを選択し、詳細を表示します。
この方法はカスタマイズ画面から条件タイプと紐づく検索順序を直接確認できるため、カスタマイズ担当者向けです。
② T-CODE:SE16Nを使ってテーブルから照会
SE16Nを使うと、条件タイプの検索順序や条件テーブル番号を特定できます。手順は以下の通りです。
検索順序の特定
- T-CODE:SE16N を実行
- テーブル:T685 にアクセス
- 用途(Application)/条件タイプ を入力し検索
- 検索順序(例:0006)を特定
条件テーブルの特定
- T-CODE:SE16N でテーブル:T682Iを照会
- 用途(Application)/検索順序 を指定し検索
- 検索順序に紐づくAテーブル番号を確認
Aテーブルの確認
- Aテーブルを指定し、条件レコードを検索。金額や数量情報はKONPやKONWと結合して確認します。
③ 実際の伝票上から条件テーブルを確認する方法
伝票データから条件テーブルを確認する手順は以下の通りです。
- T-CODE:VA03(受注伝票照会)を実行
- 伝票の明細条件タブを開く
- 分析ボタンを押下し、価格決定表を表示
- 目的の条件タイプをダブルクリック
- 遷移後の画面でKeyマークを押下
- ポップアップ上で条件テーブル番号を確認
この方法は、実際の伝票で価格決定がどの条件テーブルを参照しているのかを特定する際に役立ちます。
3. 条件テーブル検索時のポイント
- 検索順序の理解
- 検索順序は、条件タイプごとに設定されており、条件テーブルを順番に検索します。
- 最初にヒットした条件レコードが価格決定に使用されます。
- テーブルの結合キー
- Aテーブル、KONP、KONM、KONWは全て**KNUMH(条件レコードNo.)**で結合されます。
- このキーを使って、条件レコードの詳細情報を確認します。
- 検索条件(Key Combination)
- 仕入先、品目コード、購買組織など、どの検索条件で価格を参照するかがカスタマイズの要となります。
4. 実務活用例:購買価格マスタの検索シナリオ
シナリオ①:特定の仕入先と品目の基準価格を確認
- T-CODE:SE16N → Aテーブル を指定
- 仕入先コード、品目コードを条件に検索
- KNUMH を使って KONP で金額情報を確認
シナリオ②:伝票上での条件テーブルの確認
- T-CODE:VA03 → 明細条件タブ
- 分析ボタンから価格決定表を確認
- 条件テーブルと条件レコードを特定
5. まとめ
購買価格マスタの条件テーブルは、SAP MMにおける価格決定の重要な要素です。
条件タイプごとに設定される検索順序や条件テーブルの構造を理解し、実務で活用することで、購買業務の効率化が図れます。
この記事のポイント
- 条件テーブルの基本構造と関連テーブル(Aテーブル、KONPなど)
- 3つの検索方法(SPRO、SE16N、伝票分析)
- 実務シナリオでの具体的な検索手順
購買価格マスタを正しく設定し、業務の品質とスピードを向上させましょう!
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