SAP MM|請求書照合の業務プロセスを徹底解説【S/4HANA対応】

SAPノウハウ

SAP MM(購買管理モジュール)における請求書照合は、仕入先から受領した請求書と購買発注書・入出庫情報を突き合わせ、正確な支払い処理を実現する重要なプロセスです。この記事では、実施手順や関連するテーブル、トランザクションコード(T-CODE)について初心者向けに解説します。


1. SAP MMにおける請求書照合とは?

請求書照合とは、購買発注書(PO)入庫情報、そして仕入先から送られてきた請求書の内容が一致しているかを確認するプロセスです。

これにより、以下のことを実現します。

  • 不正な請求の防止
  • 正確な買掛金の計上
  • 支払い業務の効率化

2. 請求書照合の実施手順

請求書照合を行う主な手順は以下の通りです。

① 請求書の登録

請求書の登録は主に2つの方法で行います。

T-CODE内容
MIRO手動で請求書を登録します(標準的な方法)。
MIRAバックグラウンドで複数の購買発注伝票に対して一括請求書を登録します。
  • MIROの操作手順
    1. T-CODE:MIRO を実行
    2. 画面で以下の項目を入力:
      • 請求書日付
      • 仕入先
      • 購買発注番号(PO)
      • 金額
    3. 税コード勘定設定 を確認
    4. 確認後、保存 します。

② 請求書の照合・確認

登録した請求書が正しく計上されているかを確認します。

T-CODE内容
MIR4登録済み請求書を参照します。ヘッダ・明細情報・勘定設定を確認可能です。
  • MIR4の操作手順
    1. T-CODE:MIR4 を実行
    2. 請求書番号を入力し、表示します。
    3. ヘッダ情報・明細情報・勘定設定をタブごとに確認します。

③ 照合結果の確認

SAPでは、以下の内容が自動でチェックされます。

  • 購買発注書(PO)の数量・金額との一致
  • 入庫情報(MIGO)との一致
  • 税計算の正確性

エラーが発生した場合、修正が必要です。


3. 請求書照合に関連するテーブル一覧

請求書照合で使用する主要なテーブルは以下の通りです。

テーブルIDテーブル内容
RBKP受領した請求書(Invoice)のヘッダ情報を格納しています。T-CODE:MIR4で参照可能。
RSEG受領した請求書(Invoice)の明細情報を格納しています。T-CODE:MIR4で参照可能。
RBWS請求書の源泉徴収税情報を格納しています。ヘッダの「源泉徴収税」タブに該当します。
RBCO請求書の勘定設定情報を格納しています。明細の「勘定設定」タブで参照できます。

4. 実務でのポイントと注意事項

① 請求書の登録時の注意点

  • 仕入先情報:BPマスタ(ビジネスパートナーマスタ)から正しい仕入先コードを選択する。
  • 金額・税情報:請求書と一致するか確認する。

② 照合エラーへの対応

請求書照合時にエラーが発生する主な原因と対策をまとめます。

エラー内容原因対応策
数量が一致しない入庫情報が不正確入庫情報(MIGO)を修正
金額が一致しない請求書の入力ミスMIROで請求書の金額を修正
勘定設定が不正確勘定設定情報の誤り勘定設定タブで正しい勘定を設定
税計算が一致しない税コードの誤り正しい税コードを入力

5. まとめ:SAP MMにおける請求書照合の重要性

SAP MMの請求書照合は、購買プロセスの最終ステップとして非常に重要な業務です。
請求書登録 → 照合 → 確認 というプロセスを正確に行うことで、不正請求や計上ミスを防ぎ、業務の透明性と効率性を高めることができます。

この記事のポイント

  • 請求書照合の手順:請求書登録(MIRO)→ 照合確認(MIR4)
  • 関連テーブル:RBKP、RSEG、RBWS、RBCO
  • 注意点:エラー内容に応じた対応策を知っておく

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