SAP MM|請求書照合のよくあるシステムエラーと対応策【実施手順付き】

SAPノウハウ

SAP MM(購買管理)における請求書照合は、仕入先から受領した請求書と購買発注書・入出庫情報を照合し、正確な買掛金処理を行う重要な業務プロセスです。しかし、業務の中でシステムエラーが発生し、処理が止まってしまうことも少なくありません。

この記事では、よくある請求書照合エラーとその対応策について、初心者にもわかりやすく解説します!


1. SAP MM|請求書照合の基本プロセス

SAPでは、以下のトランザクションコード(T-CODE)を利用して請求書照合を行います。

T-CODE内容
MIRO手動で請求書を登録します。標準的な方法です。
MIRAバックグラウンドで複数の購買発注伝票に対して請求書を一括登録します。
MIR4登録済みの請求書情報を参照・確認します。

この基本フローに沿って、システムエラーが発生した場合の原因と対応方法を解説します。

請求書照合の業務プロセスの理解がまだな方はこちらの記事を先に読むことをおすすめいたします。


2. よくあるシステムエラーとその対応策

① 数量が一致しないエラー

エラーメッセージ:数量の不一致
発生原因:請求書の数量と入庫数量(MIGO)が一致していない場合に発生します。

対応方法:

  1. T-CODE:MIR4 で請求書を表示し、数量を確認。
  2. T-CODE:MIGO で入庫数量を確認。
  3. 入庫情報が誤っている場合、MIGO で修正。
  4. 正しい数量を基に、請求書を再登録(T-CODE:MIRO)。

② 金額が一致しないエラー

エラーメッセージ:請求書の金額が異なります。
発生原因:請求書金額と購買発注書の金額が一致していない場合に発生します。

対応方法:

  1. T-CODE:ME23N で購買発注書(PO)の金額を確認。
  2. T-CODE:MIR4 で請求書金額を照会。
  3. 誤っている場合、請求書をキャンセルし、MIRO で正しい金額を入力し再登録。

③ 税コードが一致しないエラー

エラーメッセージ:税コードの不一致
発生原因:税コードが請求書と購買発注書で異なっている場合に発生します。

対応方法:

  1. T-CODE:MIRO で請求書登録時の税コードを確認。
  2. T-CODE:ME23N で購買発注書の税コードを確認。
  3. 税コードが異なる場合、請求書の税コードを正しいものに修正し、再登録。

④ 勘定設定エラー

エラーメッセージ:勘定設定情報が不正です。
発生原因:明細の勘定設定が間違っている、もしくは設定漏れがある場合に発生します。

対応方法:

  1. T-CODE:MIR4 で該当する請求書の「勘定設定タブ」を確認。
  2. 正しい勘定科目 を入力し、請求書を再登録(T-CODE:MIRO)。
  3. カスタマイズ設定(SPRO)で勘定設定が正しいか確認。

3. 請求書照合関連テーブル一覧

請求書照合時に、データの内容や原因を確認する際に役立つテーブルは以下の通りです。

テーブルIDテーブル内容
RBKP請求書のヘッダ情報を格納しています(T-CODE:MIR4で参照)。
RSEG請求書の明細情報を格納しています(T-CODE:MIR4で参照)。
RBWS請求書の源泉徴収税情報を格納しています。
RBCO請求書の勘定設定情報を格納しています(勘定設定タブに対応)。

操作ポイント

  • T-CODE:SE16N で上記のテーブルを照会し、データの整合性を確認します。
  • テーブルの KNUMH(条件レコードNo.)勘定設定 情報をキーにデータを検索することで、エラー原因の特定が可能です。

4. 請求書照合エラーを防ぐポイント

  1. 購買発注書の事前確認
    購買発注書の金額・税コード・数量を正確に設定することでエラーの発生を防ぎます。
  2. 入庫情報の正確な登録
    入庫(MIGO)時に正確な数量を登録し、在庫情報を更新しておくことが重要です。
  3. 請求書登録時のダブルチェック
    請求書登録(MIRO)時に、入力項目を確認し、ミスを防ぎます。
  4. 定期的なテーブル確認
    定期的に関連テーブル(RBKP、RSEG、RBCO)を照会し、整合性を確認します。

まとめ:システムエラーへの対応力が業務の効率化を支える

SAP MMにおける請求書照合は、業務効率化と正確な財務処理を実現するための重要なプロセスです。
エラーが発生した際は、エラー内容を確認 → 原因を特定 → 適切に修正 することがポイントです。

この記事のポイント

  • よくあるエラーとその対応策
  • 請求書照合関連のテーブル一覧
  • エラーを防ぐための事前確認ポイント

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