SAPの管理会計(CO)モジュールには、企業の収益性を多角的に分析する強力なツールであるCOPA(収益性分析)が含まれています。本記事では、COPAにおける実績データと計画データを格納するテーブルについて解説し、初心者でも理解しやすいようにまとめました。
1. 収益性分析(COPA)とは?
**COPA(Profitability Analysis)**は、SAP COモジュールの一部で、製品別、顧客別、地域別、チャネル別など、さまざまな軸で収益性を分析できる機能です。
- 目的:企業の利益を詳細に把握し、収益向上のための意思決定を支援する。
- 対象データ:売上、原価、利益、費用、活動量など。
SAPのCOPAでは、2種類のデータが扱われます:
- 実績データ(CE1XXXX)
- 計画データ(CE2XXXX)
2. COPAの実績データと計画データのテーブル
SAPでは、COPAのデータを以下のテーブルに格納します:
テーブルID | データの種類 | 概要 |
---|---|---|
CE1XXXX | 実績データ | 売上や原価など実際に発生したデータ |
CE2XXXX | 計画データ | 予算や見込みなど計画ベースのデータ |
※「XXXX」はオペレーティング・コンセプトを表す固有の識別コードです。企業ごとに異なります。
3. 実績データテーブル:CE1XXXX
概要
CE1XXXXは、COPAにおける実績データを格納するテーブルです。売上、原価、活動量、利益などの実際のデータが記録されます。
主なデータ項目
- 売上額(Revenue)
- 原価(Cost of Goods Sold)
- 利益(Profit)
- 活動量(Activity Quantity)
- 得意先・製品コード(Customer, Product)
- 期間(Posting Period, Fiscal Year)
データ転記のタイミング
実績データは、以下のトランザクションの実行時に転記されます:
- 販売伝票の請求処理(SDモジュール)
- 生産の完了確認(PPモジュール)
- 原価配賦や費用転記(COモジュール)
データの確認方法
- T-CODE:SE16N
- テーブル「CE1XXXX」を指定してデータを照会する。
- レポート画面
- SAP標準レポートやカスタムレポートで収益性データを確認。
4. 計画データテーブル:CE2XXXX
概要
CE2XXXXは、COPAにおける計画データを格納するテーブルです。予算や見込みデータなど、計画ベースの情報が記録されます。
主なデータ項目
- 計画売上額(Planned Revenue)
- 計画原価(Planned Cost)
- 計画活動量(Planned Activity Quantity)
- 得意先・製品コード(Customer, Product)
- 計画期間(Planning Period, Fiscal Year)
計画データの登録方法
計画データは、以下の方法で登録します:
- 計画レイアウトを設定
- T-CODE:KE14(計画データ登録)
- 計画データ入力
- ExcelやSAP画面を使用してデータを入力。
- データ転記
- 登録した計画データは「CE2XXXX」に格納されます。
5. COPAにおける実績データと計画データの比較
実績データと計画データは、COPAの分析機能を活用して比較することが可能です。
分析目的 | 対象データ |
---|---|
予算と実績の比較 | 計画データ(CE2XXXX) vs 実績データ(CE1XXXX) |
部門別、製品別、地域別の収益性 | 実績データ |
予算達成度の確認 | 計画データと実績データの差異分析 |
差異分析の例
- 売上目標と実績の差異
- 原価計画と実際のコストの差異
- 利益率の変動要因分析
6. まとめ:SAP COPAのテーブルを理解して収益分析を深めよう
SAP COの収益性分析(COPA)は、実績データと計画データを管理し、企業の利益向上に役立つ重要な機能です。データが格納されるテーブル(CE1XXXXとCE2XXXX)を理解することで、業務効率化や正確な収益分析が可能になります。
この記事のポイント
- COPAは収益性を多角的に分析するためのツール
- 実績データは「CE1XXXX」、計画データは「CE2XXXX」に格納
- 実績データと計画データを比較し、差異分析や予算達成度の確認が可能
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