SAP GUIは、SAPシステムの利用をサポートする重要なツールですが、デフォルト設定のままでは使いづらいと感じることもあるでしょう。しかし、GUIのカスタマイズ機能を活用すれば、操作性や作業効率が飛躍的に向上します。本記事では、SAP GUIの便利なカスタマイズ設定を一挙にご紹介します。
1. システムごとの背景色を設定する
概要
開発機、検証機、本番機などのシステムを利用している場合、誤ったシステムにログインして操作ミスをしてしまうリスクがあります。システムごとに背景色を設定することで、視覚的に区別ができ、誤操作を防止します。
設定方法
- メニューバーの「追加」>「SAP GUIの設定とアクション」>「オプション」を選択。
- **「ビジュアルデザイン」>「色設定」**に進む。
- システムごとに異なる色を選択して設定します。
2. 数値と日付のデフォルト書式を変更する
概要
SAPのデフォルトではヨーロッパ式の書式が使用されていますが、日本式(アメリカ式)に変更することで、誤入力やエラーを防ぐことができます。
設定方法
- メニューの「システム」>「ユーザプロファイル」>「ユーザデータ」>「デフォルト」タブを開く。
- 「10進表記」を
1,234,567.89
、日付フォーマットをYYYY/MM/DD
に設定。 - 保存して変更を反映。
3. トランザクションコード(T-CODE)をメニューツリーに表示する
概要
メニューツリー上でトランザクションコードを表示することで、コマンドフィールドに直接T-CODEを入力してトランザクションを素早く起動できます。
設定方法
- メニューバーの「補足」>「設定」を選択。
- 「技術名称表示」にチェックを入れる。
4. クイックカット&ペーストを有効化する
概要
コピー&ペースト操作を簡易化する機能で、範囲選択と右クリックだけで効率的に作業できます。
設定方法
- メニューバーの「追加」>「SAP GUIの設定とアクション」>「クイックカット&ペースト」を選択。
- 範囲選択後に右クリックでコピー、貼り付けフィールドで右クリックで貼り付け可能に。
5. ドロップダウンリスト内に技術名称を表示する
概要
ドロップダウンリストでキー情報を表示することで、項目の識別がしやすくなります。
設定方法
- メニューバーの「追加」>「SAP GUIの設定とアクション」>「オプション」を選択。
- 「インターアクションデザイン」>「コントロール」>「ドロップダウンリスト内にキーを表示」を選択。
- 「適用」を押して保存。
6. 上書きモード(OVR)と挿入モード(INS)の切り替えを表示する
概要
現在の入力モードを画面上で確認できるようにすることで、入力ミスを防ぎます。
設定方法
- メニューの「追加」>「SAP GUIの設定とアクション」>「オプション」を選択。
- 「ビジュアルデザイン」>「テーマ設定」を選択。
- 「INS/OVRをシステム情報に表示」をチェック。
7. 数値入力項目で全角文字の入力を防ぐ
概要
数値フィールドに半角英数字のみ入力可能にすることで、全角文字による入力エラーを防ぎます。
設定方法
- メニューバーの「追加」>「SAP GUIの設定とアクション」>「オプション」を選択。
- 「多言語設定」>「IME」より、以下のチェックボックスをオンにする:
- 数値項目または右寄せ項目の上
- 1バイト項目上
8. ビジュアルテーマをBelizeまたはQuartzに変更する
概要
SAP GUIのテーマをFioriベースのデザインに変更することで、マルチモニター対応や見やすいUIを実現します。
設定方法
- 「追加」>「SAP GUIの設定とアクション」>「オプション」を選択。
- 「ビジュアルデザイン」>「テーマ設定」を選択し、“Belize” または “Quartz” を選択。
まとめ
SAP GUIのカスタマイズは、作業効率を向上させるだけでなく、誤操作を防ぐためにも非常に重要です。本記事で紹介した設定を活用して、より快適なSAP環境を作り上げてください。
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